自分たちのようなエンジニアと呼ばれる人達が駆使する技術は, あくまで道具であり, その道具を活かしてどのように価値を生み出すか? という点が重要である.
だからこそ, その道具を雑に扱ってはいけない. 日々の学習で使える道具を増やしたり, 知識をアップデートして道具を手入れすることが, 大なり小なり求められてくる.
ところで, 道具と言っても様々な種類の道具がある. ここではRPGの冒険者の装備で例えたい.
昨今話題のブロックチェインや, 或いは機械学習, 人工知能, 量子コンピュータといった道具は, これまで困難だったことを実現できるようにする糸口になる技術で, 結果として, より大きな価値を届けることができる可能性が, ぐっと高まる技術だと思う.
そう考えると, こういった技術は, 冒険者の持つ自慢の武器に例えられるのではないか.
一方で, 冒険者は武器だけでは冒険に行くことはできない. 適切な防具を装備し, 戦い方に適したステータス強化を実現するアクセサリーを準備することで, より安全に, 盤石の体制で冒険に出ることができる.
セキュリティやRDBMS, インフラの知識, 或いはプログラミングの知識と技法(TDDやDDD等), 更にはアジャイル, スクラムといった手法などが, 防具やアクセサリーに当てはまると思う.
防具やアクセサリーだけでは戦えない. しかし, 武器だけでは生存率が極端に下がってしまう.
だからこそ, 技術を活かして価値を届ける事業に取り組んでいくのであれば, (極端な言い方をすれば)"攻め"の技術と, "守り"の技術の両輪を回し続ける必要があると思う.
過去, いろいろな会社を見てきたけれど, トップダウンで"攻め"の技術だけ注力して, "守り"の技術には一切関心を持たず, 現場の裁量に任せきっている経営者が, 結構いるように思う.
だけれど, 今いる会社は, そういう事は全然なくて, 抜群にこの両輪をしっかり回せている会社だと思う.
とにかく強靭な"守り"の技術を持ちながら, それを拡大発展させる形で"攻め"の技術を手にしていて, その幅と領域も, ますます広がろうとしている(最近発表された, Mackerelの1分単位のデータ保存期間の大幅な延長とかは, まさに"攻め"の技術の結晶だと思う).
結論としては, 最近は結構, 守りに回るような作業が多かったけれど, 近々一転攻勢で攻める技術的チャレンジが出来る機会が訪れそうなので, 引き続き攻防一体でしっかりやっていきたい.